牡鹿半島 訪問 その2 被災直後の暮らし

遠藤さん宅からの風景
遠藤さん宅からの風景

◆水なし電気なしで1ケ月

 

遠藤さん宅は海岸沿いですが、ちょっと高い場所だったので、かろうじて難を逃れました。

 

「電気も水もこなくて、それが1ケ月続いたよ。」

 

「ひえーっ! ど、どうやって生活したんですか… まだ寒かったですよね。寒いのは着込むとしても… 水がないって、そ、想像がつきません…。」

 

「寒かったわよ~。水はね、幸いここから数キロ先は水道がなぜか生きてたの。だから車で毎日水汲みに行って。

 

隣のおじさんが大きいタンク持ってて、うちのお父さんとトラックで汲みに行ってたのよ。ペットボトルの水って、飲料用にしか使えないでしょ。」

 

 

おさかなたわしを編んでいる遠藤さん
おさかなたわしを編んでいる遠藤さん

た、たくましい。

 

そうよね、トイレ、風呂、洗濯、掃除、水は毎日たくさん要る。そんな当たり前な事にも気づかされます。

 

「うちは屋根にソーラーを付けてたから、電気はちょっとあったのよ。」

 

「でもお湯とかが使えるほど電気がまかなえますか?」

 

「たくさんはできないけど、携帯電話の充電とかはできたわよ。でも携帯のつながる場所まで行かないと使えないけどね。」

 

◆避難所でも助け合い

 

「じゃあ、まあ、おうちが無事だったので、避難所には行かなくてすんだわけですね。」

 

「でも避難所には毎日行ったわよ。朝から避難所の皆の食事の炊き出しよ。大変だったよ~!」

 

そうか、生き残った者同志、助け合わないといけませんよね。そうか、そうか…

この庭のすぐ下まで津波が来た
この庭のすぐ下まで津波が来た

遠藤さんのお宅は道路沿いにあり、道の向こうは海(港)です。

 

海側のリビングの窓はとても大きく、眼下に湾が遠くまで広がります。

 

「津波をここから見たのよ。(道路を指して)すぐそこまで来たよ。主人と家にいたのよ。娘は仕事に行ってた。(皆無事です)。」

 

遠藤さんがどんな気持ちでこの窓から津波が来るのを見ていたのか、今の素敵な笑顔からは想像もつきませんでした。

 

道路沿いに建った家、道の向こうは海(港)です。

 

家の中、海側のリビングの窓はとても大きく、眼下に湾が遠くまで広がります。すごくいい景色!

 

「津波をここから見たのよ。(道路を指して)すぐそこまで来たよ。主人と家にいたのよ。娘は仕事に行ってた。

 

(家にはモモというラブラドール犬が一匹いる)モモの他にもいたんだけど、この子だけ生き残ったの。」

 

遠藤さんがどんな気持ちでこの窓から津波が来るのを見ていたのか、今の素敵な笑顔からは想像もつきませんでした。

モモちゃんもこわかったね
モモちゃんもこわかったね

牡鹿半島 訪問 その3 につづく~